般若心経の用語集

般若心経は短いお経ですが、耳慣れない言葉が続けて出てきます。 ここでは、読んでいてつまずきやすい語をまとめました。 本文の流れのなかで意味を追いたい方は意味のページへどうぞ。

くう
般若心経の中心にある考え方。「何も無い」という意味ではなく、「これは絶対にこういうものだ、と固定できる実体は無い」という意味です。ものごとは互いに関わり合いながら移り変わっている、という見方を指します。
五蘊ごうん
人の心身をつくる五つの要素。色(形あるもの)・受(感じること)・想(思い浮かべること)・行(意思のはたらき)・識(見分けること)を指します。「照見五蘊皆空」は、この五つに固定した実体は無いと見抜いた、という意味です。
色即是空しきそくぜくう
「形あるものは、そのまま実体のないものである」。続く「空即是色」と対になっていて、形と空は別々のものではない、と繰り返し押さえています。
般若はんにゃ
サンスクリット語の prajñā(プラジュニャー)の音を写したもので、「智慧」を意味します。知識の量ではなく、ものごとの本当のすがたを見抜く力を指します。
波羅蜜多はらみった
pāramitā の音写で、「向こう岸へ渡ること」。迷いのこちら側から、さとりの向こう岸へ渡り切ることを表します。
舎利子しゃりし
釈迦の弟子・シャーリプトラのこと。智慧第一と呼ばれた高弟で、般若心経では観音さまの語りかけを受ける相手として登場します。
観自在菩薩かんじざいぼさつ
観音さまのこと。般若心経で説法する側の主人公です。「観音菩薩」「観世音菩薩」も同じ仏さまを指します。
無明むみょう
ものごとの本当のすがたが見えていない状態、つまり根本的な迷いのこと。「無無明」は、その迷いさえ固定した実体ではない、という意味になります。
苦集滅道くしゅうめつどう
四諦(したい)と呼ばれる仏教の基本の教え。苦しみがあること、その原因、苦しみが消えた状態、そこへ至る道、の四つを指します。
罣礙けいげ
心のひっかかり、さまたげのこと。「心無罣礙」は、心にひっかかりが無い状態を表します。
涅槃ねはん
迷いやこだわりが消えた、静かな安らぎの境地。「究竟涅槃」は、その境地に至り切ることを指します。
菩提薩埵ぼだいさった
菩薩のこと。さとりを求めながら、同時に人々を救おうとしている存在を指します。
阿耨多羅三藐三菩提あのくたらさんみゃくさんぼだい
anuttarā samyaksaṃbodhi の音写で、「この上ない正しいさとり」。般若心経のなかでいちばん長い語です。
しゅ
真言(マントラ)のこと。意味を訳さず、音そのものを唱える言葉を指します。般若心経では末尾の「羯諦羯諦…」がこれにあたります。
羯諦ぎゃーてい
gate の音写で、「行った者よ」「行こう」。「羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」で、「行こう、行こう、向こう岸へ。みなともに行き着こう。さとりよ、幸あれ」という意味になります。
語義は、分かりやすさを優先したひとつの説明です。 仏教学上はより厳密な定義があり、宗派や訳者によって説明が異なる場合があります。
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